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アイトーク

 

発達障害当事者は、個人によって程度も質も現れ方も様々ですが、思い込みやこだわりの特性を持っていることがあります。「〇〇とみんな思っているに違いない」「△△さんがこう言ったから正しい、みんなそうすべきだ」「会として、××という考え方でうまくいくはず」…という意見を言う前に、まず「自分という個人」がどのように考えているのかを伝えるようにしましょう。

 

実際にはなかなか難しいのですが、ここで技術的に「アイトーク」の方法を使うと、表面的な言葉や、相手が受け取る印象だけではなく、自分の考え方や自分の言いたかったことが整理できる場合があります。言葉のはじめや途中に「私は(…と思う)」と入れる方法です。「私は、その備品は必要だと思います」「そのイベントに、私は興味を持てません」…このように使っていると、「みんなこの備品は必要に違いないと思っていたけれど、思っているのは、まず『私』なんだな」というように、視点を増やし、周りや自分を客観的に見ることもできます。

 

アイトークの手法は技術ではありますが、自分の意識に効果を与え得るものだと考えています。あくまで自分の意識を大切にするための補助的な技術ですが、特に発達障害当事者と関わる中で大切な意識の一つだと考えています。

もちろん、「発達障害当事者のために必要な意識」ではありません。

この意識を大切にすることで、当事者も当事者でない人も、当事者でない人同士の意思疎通にも、良い影響を与えられると思われます。

 

「私は、私は」と言うばかりで、他者のいない、押し付けのアイトークでは、意味が限られてしまいます。そうではなく、「私は(あなた(がた)の意見を私の意見と同様に大切にします。その上で、)…と思います」という言外の意味が含まれているのが、良いアイトークと考えられます。

 

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